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HaruP Works

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

冨田勲と初音ミク~時空を超えたアーティストの饗宴~ 

シンセ界の巨匠の冨田勲氏とミクの初演コンサート「イーハトーヴ交響曲」に感動し、その興奮さめやまぬまま、今日はそのコンサートがそもそも何故成立したのかを、冨田氏の遍歴を訪ねながら、コンサートで語られた氏の想いから考察したいと思います。

冨田氏については、以前書いたブログ:【シンセサイザー界の巨匠「冨田勲」師考">シンセサイザー界の巨匠「冨田勲」師考】、そして秀逸な記事のリンク先:【電子音は自然の音だし、僕たちも自然現象なわけでしょう】、をご参考にしていただければと思います。

このように氏は、日本を代表する世界的なシンセサイザーの巨匠であると同時に、数々の大編成の交響楽曲手がけてきた大作曲家なのです。今回のコンサートでオケを指揮した大友直人氏曰く、世界の名作曲家のなかで、80歳にして大編成の交響曲のオーケストラ譜を手掛けるのは、大変稀有なことだそうです。

かくの如き巨匠が、何故、ボーカロイド、とりわけミクに興味を持ち、そして自らのライフワークともいえる大作のコンサートに特別ゲストとして使ったのか?

それは、冨田氏の遍歴にその秘密がありました。

以下、コンサート会場で配付されたリーフレットからの冨田氏の寄稿引用です。
(写真は、そのリーフ)



「注文の多い料理店」ではどうしても異色のエンタメが必要で、クリプトンの社長の伊藤氏に、初音ミクに大友直人氏の指揮に合わせて歌うようにお願いしましたが、ご協力いただけるとのことで喜んでいたのもつかの間、これがかなり大変な仕掛けになったのですが、今後の現代アートのさきがけにもなるということで、技術陣が幾晩も徹夜をして、頑張ってくれました。
ミクの歌は2人のイギリスかぶれのハンターに、もはやここからは出られないことをアラビア風ジンタのリズムにのった歌で暗示します。


(以下、冨田氏の作詞の歌詞がありますが、著作権上割愛します。意味は、ミクがかりそめの身体で、ミクロより小さい世界で住んでいて出られない流れが歌詞になっています。ミク作品の初期の頃のキャラソンを彷彿させます)

このあと、ミクは「風の叉三郎」や「銀河鉄道」のカンパネルラの歌を歌いますが、私の感じている風の叉三郎やカンパネルラ像は、物語では男の子の設定ですが、他方、非常にボウイッシュな少年のような女の子とも感じとれ、この異次元的なキャラクターは初音ミク以外にはいないと考えました。
宮沢賢治先生自身も、どこか遠い異次元界から現れ、この世の人々の幸せを願い、いくつもの愛される作品を残し、やがて最愛の妹トシのいる世界へ帰っていきました。


<以上、引用おわり>


この引用で紹介したミク起用の理由は、舞台でも冨田氏がミクを使いたかった経緯として語られていましたが、彼女の仮想的な存在とその歌声にもその秘密があったのです。

 ”女の子なんだけど、少年のようにもにも聞こえる中性的な声色”

舞台では、このように表現されていました。

おお!、なるほど。これがボーカロイドによって合成された音声の独特の声の色合いなんだと得心しました。
確かにサンプリングされたままの音声を再生するだけなら、女の子の声は女の子のままななのです。
ところがシンセサイズによって、合成されることによって、元となった声優の声質ではあるが、その生声にはない独特の癖がつき、それがあの「ミク」のミクたる声色、特徴になっているのです。

さらに、冨田氏は次のように語っておられました。(正確にはメモにとどめていませんので多少言葉は改変しております)

 ”そして、その中性的な歌声は、この世ではない四次元の彼方から聞こえてくる声にぴったりだったのです”

 ”ボーカルシンセサイザーである仮想の歌手であるミクに出会って、これを歌えるのは貴女しかいないんだと、初音ミクさんに頼んだんです”


巨匠から「ミクさん」という言葉が出たのに、会場も大爆笑が沸き起こり、偉大なる作曲家なのにお茶目なお人柄が感じられた瞬間でもあります。

そして、冨田氏が宮沢賢治の世界を音楽で表現するにあたり、氏とミクとの出会いは、はまさに必然であったと感じる瞬間でもあったのです。

冨田氏が少年時代に宮沢賢治が表現した世界に衝撃を覚え、いつかこの世界観を音楽で完成させたいと思い続け、そして御齢で喜寿を超えて、その構想を壮大な大作で完成させる結実点が、まさにミクであったのです!

  シンセの神様と、ミクとの出会い

それは邂逅のように思えて、実は少年時代の冨田氏が数十年の時を経て永遠の16歳である電子の歌姫であるミクによって、宮沢賢治の描いた世界観のなかで協演・饗宴する必然でもあったのです。
何という、時空を超えた壮大な夢物語でしょうか。

さて、技術的な側面については、今回触れることが出来ませんでした。実はそのコンサート終了後の生放送で、冨田氏と初音ミクの生みの親であるクリプトンフューチャーの伊藤社長の生放送で技術面でも語られていたそうでして、あとから知りました・・。

そこで語られた内容について確認しようがなく、徐々に知り得た内容で、技術についても後日ブログで触れられたらと思います。

冨田氏が思いを馳せ挑戦し続けた、「機械」に歌わせたい想いとは。
次回にて。
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Category: ボーカロイド

Thread: ボーカロイド

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コメント

ネット中継で見てました

冨田さんの会場発言レポート感謝します
当日感激しながらネットで見ていました
会場発言は聴いていない&リーフレット持っていないので助かります
素晴らしいコンサートでしたね

てっちゃん #- | URL | 2012/11/29 22:46 [edit]

本当に感動のコンサートでした

DTMの始祖、パイオニアである冨田勲氏によって
実現した、新たな可能性が垣間見えるコンサート、
本当感動でした。

さらに続く考察レポート、お楽しみにしてください!

HaruP #- | URL | 2012/11/30 19:28 [edit]

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