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HaruP WorkS

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

DTMヒストリー(秘話もちょっとだけ) 

今やエレクトロニックな音楽でなくとも、ほとんどの音楽がパソコン、Mac等で構築されたDTMの仕組みを使って制作される時代となりました。
では、そもそもDTMという言葉はどこからきたかご存知でしょうか?

●DTMの語源と初期の頃の姿

語源としては、「Desk Top Music」の頭文字からきていますが、実はこれ和製英語なので海外では通用しません。
あえて海外でも分かる言葉であるとしたら、「making music on laptop」「Laptop Music」でしょうか。

さて、このDTMですが、昔はこんな姿で売られていました。

写真1:ミュージ郎SC-8850
ミュージ郎SC8850

ローランド社から「ミュージくん」、「ミュージ郎」というハードウェアのMIDI音源と音源を演奏するための音楽制作ソフトをパッケージにしてアマチュアが即音楽制作環境を手に入れるというような商品展開がされていました。(ミュージくんは1988年発売。その後、音源やソフトが強化されながらバンドリングといわれたDTMパッケージは2000年初頭まで続きました)

一説によると、このパッケージによる音楽制作のコンセプトの総称を表す言葉を、パソコンで制作された印刷物を表す「デスクトップパブリッシング」⇒DTPをもじってDTMと名づけたのは、ローランドの創業者である梯郁太郎氏であるとされていますが、実際はどうだったんでしょうか?
出典元不明です。
ちなみに梯氏はローランドから完全独立し、いまではアトリエヴィジョンという電子楽器プロデュース企業を創業しているようです。

このようなDTMのパッケージは、楽器が弾けなくとも、バンドを組まなくとも、買ってきたその日から机の上に置いてあるパソコンで音楽が作れるというコンセプトが具現化されている点が大変目新しいものであり、全国の大手の家電量販店の店頭でも多数扱われ、その卸元は今では携帯電話キャリアで有名なソフトバンクが一手に担っていたということです。

そして、このようなDTMの特徴を「ノンリアルタイムミュージック」というようにも言われていたようです。

バンド演奏などのリアルな演奏に対して、ソフトウェア上の入力や編集により構築していくというリアルタイムで演奏はしないけど、様々な編集作業によって生み出される新しい音楽演奏表現という意味もあったようです。


●初期DTMシステム構成とそのサウンド

さて、このセットの入っていたハードウェア音源は16パート以上の演奏ができる仕組みがあり、それをアンサンブルとして演奏させることで、音楽を制作していたのです。
ここでいうパソコンの役割は、あくまでもハードウェア音源を鳴らすための制御に特化しており、音源で演奏させるために使っているプロトコルは、DTMでは必須のMIDIです。

この時代のパソコンは非力であったことから、音声を自由に加工したり制御するだけのパワーがなく、低速のデジタル信号でも制御できる外部にあるハードウェアの専用音源を使うことで音楽を制作していたのです。

写真2:初期DTMシステム例(1990年の頃のシステムです。なんとMS-DOSというWindowsがまだない頃のPCでのシステム例。ミュージ郎のカタログ内の写真とのこと)
パソコンの右横に置いてある白い縦型の箱がMIDI音源(CM-64)です。アナログをシミュレーションしたLA音源とPCM音源によるハイブリッド音源です。

ミュージ郎 CM-64

次に、その音源の演奏例をご紹介したいと思います。演奏のデモデータは、発売当時のローランドのデモ用ソングのようです。
このSC-88ProというのはDTM用音源としては世界で最も売れた音源のひとつで(発売年:1996年)、通信カラオケでの制作環境でも非常に普及した音源で、一般的にはMIDI音源という呼び方がされていました。



写真3:私も中古で所有していて時々使っているSC-88Pro。初期ロットなので20年近く前の中古品ですが元気に鳴ってくれます!

Roland SC-88Pro

音を聴いてお分かりいただけるように、ニコニコ動画でも「MIDI音源」という名でタグがつけられたらしいサウンドというところでしょうか。

当時のMIDI音源は、波形を収納するメモリー領域が大変小さく(当時最高峰と言われたSC-88Proでも、たった16MByteほどのメモリー領域しかなく、そんなわずかなメモリーサイズに1117音色を再現するデジタルレコーディングされた元波形を詰め込んである)、それをいかに楽器として成立させるかという当時のデジタル技術とノウハウの塊です。

1パート、1音色だけ鳴らすと、なんとも薄っぺらで細い線の音がします。

これが、複数のパートで重なっていくことで、バランスの良い音楽が出来上がっていきますので、当時のMIDI音源の面白いところです。


●DTMの主流はDAWに

パソコンの性能がアップするにつれ、オーディオ音声を取り込みつつ、さらに音源ごとシミュレーションできるようになりまして、外部につなぐDTM機材としては、音の出入口であるDA/ADコンバーター入りのオーディオインターフェースくらいしかないことが一般的になりました。
そしてパソコンがどんどんパワーアップするにつれ、ハードウェアが担ってきた様々な機材がソフトウェア化され、パソコン内だけで音楽制作における高度なワークフローが完結できるという現在のDTMの形態となったのです。

その形態は、今ではオーディオ編集とMIDI編集を統合的に行うことができるDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトウェアが当然となっており、DAWソフトが現在の制作環境のメインツールとして君臨するに至っております。


以上、超ざっとですが、語源やちょっとしたトピックスも含めDTMの歴史を振り返ってみました。

現在のDTMでは、DAWとソフトウェアシンセ音源だけで、およそ作れないジャンルはほぼ無くなってきております。
では、そんな時代に敢えてハードウェアの形のあるシンセを使う意義とは?

後日、ハードウェアシンセの存在意義、そして未来のDTMの姿を勝手に予想しながら綴ってみたいと思います。


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Category: 電子楽器業界考

Thread: DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材

Janre: 音楽

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