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HaruP WorkS

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

初音ミク・オリジナル曲の解体&解説 第2弾! 

初音ミクの楽曲をシンセサイザーを使っていかに作り上げていくかを、オリジナル曲のパート毎に分解しながら制作過程を解説した第2弾です!

第1弾はこちらから

●初音ミク・オリジナル曲の解体・解説!

私が作るミク作品はトランス系が多いので、そちらは以前のブログでも解説しておりますが、今回はアンビエント風のエレクトリックサウンドで構成したサウンドをパート毎に紹介していきます。

なお、解説において前提としまして、音楽制作に興味はあるけど自らでは行ったことがない、または始めて間もない方を基準に想定しながら、専門用語等が出た場合は例え話や括弧で解説しいくスタイルとしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(その分、ご経験者にとっては冗長な説明もあるかもしれませんが、サウンドだけでも聴いていただくことで、紹介するシンセの出音を確認いただける機会となれば幸いです)

前置きが長くなってしまいましたが、まずは楽曲の解説に使いました課題曲を紹介をば。

●niconico動画



さて、ご試聴いただいたなかでお気づきいただけるところとしては、ピアノについては比較的音数が少ない形で鳴らしてます。
こういったフレーズは、鍵盤が普通に弾ける方であれば、ぱぱっと弾いてしまわれることでしょう。
私の場合は、ほとんど弾けないので、ひたすら「打ち込み」となります。
※打ち込みというのは音楽制作では、楽譜を演奏データとして入力していく作業の俗称で聞かれた方が多いと思います。(その入力方法は色々な方法がありますので、それはまた別の機会にて)
用語の発祥としては、アナログシンセが全盛時代にそれらを鳴らすための専用の音楽用コンピュータ(シーケンサー)がスーパーマーケットにあるようなレジスターの小型版のような形をしていて、楽譜情報を10キー入力でひたすら打つというようなことからきています。

ピアノフレーズは今回打ち込みではありますが、制作過程としては半自動的なやり方で鳴らしています。

その方法とはすべての演奏情報を入力するのではなく、和音の組み合わせでフレーズを生成するやり方です。
その機能は、シンセではアルペジェータといわれる仕組みです。

では、この機能を説明する前にアルペジオという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

フルCGながらセルルックなアニメとして有名な「蒼き鋼のアルペジオ」が昨年ヒットしましたが、元々は音楽用語で、分散和音という奏法のことを示します。
和音を鳴らす場合、すべての音をほぼ同時に鳴らすことが基本ですが、和音を構成する1音1音を別々のタイミングで鳴らすのがアルペジオという奏法のことです。
この奏法は一般的にはギター系での奏法でよく使われますが、エレクトリック系でもこのアルペジオをいかに効果的に使うかが、楽曲の肝となるところでもあります。
かなり初期の多くのシンセで昔から搭載されている演奏補助機能の代表的なものが、このアルペジオという機能なのです。

具体的に音で効果を確かめていただくにあたり、今回の楽曲で使った例に、順を追って説明していきたいと思います。

まずは和音(3音重ね)そのものを4分音符で鳴らしたものです。ピアノ演奏音及び機能画面は今回の解説で使っている課題曲でメインで使ったソフトウエア・シンセサイザーのOMNISPHEREです。
張りのある艶やかなこのピアノ音色は、2つのピアノの音(通常のピアノ音と弦を指で弾いて鳴らした音)を組み合わせて合成されています。

●3コード和音・4分音符(画面は、私がメインで使っている楽曲制作用DAWソフトSONARのピアノロールという打ち込み用の画面です。縦軸が音階・バーの位置と長さが演奏のタイミングを表現しています)
なお、解説上、音の強弱は敢えて付けず一定の音量(あまり音楽的ではない)で鳴らしています。

3code.jpg
3code







それでは、今の演奏情報をアルペジェータで分散和音演奏させてみましょう。
発音のタイミングは8分音符刻みにしております。
また画面はアルペジェータの画面で、スイッチのタイミングで発音し、バーの高さが発音時の音の強弱を表しています。

●3コード和音 アルペジオ(上昇系パターン)

3code Arp 8beat
3code Arp 8beat





先ほどの3和音の構成で8分音符のタイミングで駆け上がりの繰り返しを使ったパターンの演奏となりました。このように音楽に動的な変化を与えることの奏法として多用されており耳によくされることが多いと思います。

アルペジオのパターンはシンセによって、様々なプリセットがありそちらを使うことで多彩なパターンで演奏を生成することができます。
中には、実際の楽器ごとの奏法をフレーズとして丸ごと入れてある場合もあり、シンセの機能としてはチェックすると面白いところでもあります。


それでは、今回の課題曲で実際に使ったアルペジオ・パターンを今度は呼び出してみます。

変化をわかりやすくするため、先ほど3コード和音アルペジオのコード進行で演奏させてみました。

●Plucked Dream Piano Arp

Plucked Dream Piano Arp 16beat
Plucked Dream Piano Arp




16分音符で、音階の駆け上がり下りのタイミングが変化しながら刻むアルペジオ・パターンです。こういった演奏を、生で弾けるかたは別として、打ち込みで入れる場合、どうしても音数が多くなりますのでそれなりに大変ですが、和音の構成を指定するだけで、このような分散和音で演奏してくれる非常に便利な機能です。


それでは、このフレーズをいかに今回の楽曲として使ったかですが、変化を分かりやすくするため、先のコード進行ではなく、実際の楽曲で使った楽曲用のデータを呼び出してみます。
これを先のアルペジェータで演奏させてみます。
●A moonlight walk piano arp(16beat)

A Moonlight Walk PT Arp8分音符→4分音符
A moonlight walk piano arp(16beat)





楽譜のとおり非常に少ない音符なのに、とても変化のあるフレーズが生成されます。
鳴るタイミングは16分音符で鳴っているのがお分かりいただけたと思います。


ここで、アルペジェータの分解能(発音のタイミングの最小単位と捉えていただいてもOKです)を、16分音符→付点4分音符にしました。
音はより分かりやすくするため、メトロノーム音をガイドで入れてみました。

●A Moonlight Walk PT Arp16分音符→付点4分音符

アルペジオ エディット





付点4分音符のタイミングでアルペジオが音階の変化を生み出し、元の音符以上に表現がさらに変化した感じになったことがお分かりいただけたかと思います。

こういったアルペジオ・パターンをさらに装飾する仕上げとしてDAWでエフェクト処理を行います。テンポディレイ(テンポに追従してエコー効果をかけることができるエフェクター)を起動し、テンポに追従させることで、リズミカルに音が左右に飛び交う効果を付加したアンサンブルとして表現ができるようになります。(薄味程度に音にホールのような響きを付加するリヴァーブ処理もしています)

●アルペジオ+テンポディレイ
テンポディレイ画面
Tempo Delay





アルペジェータの多くは自分でもパターンを作ることが出来るので、オリジナルのアルペジオのパターンもカスタムで作っていくことでさらに多彩な楽曲に使えることとなるでしょう。
ただし便利で効果的なアルペジェータですが、アコースティック系のサウンドではうまくいかないことが多いです。どちらかというとエレクトリック系のサウンドで構成していくことで、楽曲の肝として使えるでしょう。注意点としては、何でもそうでしょうが多用は禁物です。要所でいかにセンス良く使うかが、楽曲の構成でとても大事になってきます。このあたりは自分にとっても、いつも課題ですが。

それでは、アルペジェータで生成したピアノサウンドと、広がりのあるシンセサウンドやその他のアルペジオ・サウンドによる装飾、そしてサウンドエフェクトを重ねてミクの元メロディとなるフルートのようなシンセ音を鳴らしてみてみました。このように重ねてみると課題曲の雰囲気がずいぶんと出来上がってきたことをご確認いただけたのではないでしょうか?

●A moonlight walk piano arp edi+z3ta+SE+Melody





今回はシンセのアルペジェータを使った制作過程をご紹介いたしました。
第3弾では、空間系サウンド(広がりのある電子音はいかにして作ってる?その他の装飾音など)の 制作過程をご紹介できればと思います。
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Category: 制作ノーツ

Thread: VOCALOID

Janre: 音楽

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コメント

No title

いやー、アルペジエイターの分解能を下げるだけで、こんなおもしろい偶発フレーズが出来るのは、目からウロコでした!!  今後もいろんなワザを、さしつかえない範囲で良いので、どんどん教えてください!!

Nemo #l2xjvqwU | URL | 2014/10/31 18:32 [edit]

No title

>Nemoさん

シンセをいじっていて楽しいのは、まさにこの偶発的な面白さがあるところです。
ロジックを追っていたなか何かの拍子で全く意図しない音が出てくる妙。
技というほどたいしたものではないですが、偶発的に起きたことで使ったサウンドをこれからも紹介できたらと思います。

HaruP #- | URL | 2014/11/02 21:04 [edit]

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