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HaruP WorkS

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

初音ミク・オリジナル曲の解体・解説! 

まず、メインとなるシンセですが、今回はOmnisphereが全体のサウンドの8割を占めています。
(今回は、私にしては珍しくハードシンセは一切使わずです)
写真:Omnisphere
ins-image-omnisphere-full.jpg

とにかく、Omnisphereのサウンドは有機的でかつ繊細でダイナミックという素晴らしいソフトウェア・シンセサイザーです。
このシンセは、エリック・パーシングというというローランドの数々の名機でサウンドデザインを行ってきた名ディレクターが創立した会社の代表的なシンセです。

彼のサウンドデザインは、シンセサウンドのメジャー化に大きく貢献し、数々の世界的にヒットした楽曲(マイケルジャクソンのBADなど)でも聴くことができます。

●エリック氏のインタビュー記事がありますので、彼の活動が詳しくわかります。

http://second.minet.jp/spectrasonics/eric-persing

それでは課題曲である原曲は次のところで聴いてみてください!
●niconico動画



●ピアプロ


【初音ミク】 A Moonlight Walk 【オリジナル曲】 powered by ピアプロ

まずは、今回の楽曲の雰囲気を作り上げる中心となったパートである、リズム+αのワークスについて解説していきたいと思います。

リズム・ワークは通常、サンプリングされた電子音を含んだ各打楽器音源を使うことが普通ですが、今回はリズム音源は立ち上げず、Omnisphereで遊んでいるうちにとっても良いパッチ「Cross Beat」を発掘して、そこからインスピレーションを受け進めていきました。

そのパッチがどのように合成されてきたのか、分解しながら解説していきます。

要となるリズムパートであるベースドラムラインですが、ドラム音源ではなく実は伝説のシンセ「JUPITER-8」の波形から生成しています。
写真1:JUPITER-8
当時の定価で98万円!なり
Jupiter-8 2
●三角波という、リコーダーやフルートなどの管楽器合成時の波形として使われてきたものです。

JP-8RawTriangle





ボーという感じがそれっぽいかもしれませんが、まったく加工していない波形の音です。

さて、その波形に音量変化を与えてみました。
アタックから急激に減衰する、打楽器、ピアノ系でよくあるパターンです。


●ENVで加工。打楽器シミュレーション
写真2:ENV変化(打楽器:BassDrum JP-8RawTriangle (ENV))
BassDrum JP-8RawTriangle (ENV)

JP-8RawTriangle ENV





どうでしょうか?これだけで、なんとなく電子系のベースドラムに早代わり。

さらに、OmnisphereならではのMOD系で加工してあります。このMODの良いところは、小節の任意の拍で、自由なパラメーター変化を自在にかけることができるのです。
先の打楽器シミュレーションに、ピッチシフト(音程変化)を与えたサウンドで、さらにリズミックな展開となりました。


●MODによるピッチシフト(パラメータ変化エディット)
写真3:BassDrum JP-8RawTriangle (ENV+MOD)
BassDrum JP-8RawTriangle (ENV+MOD)







●さらにリズミカルかつ、面白いビートが生成されました。
30年以上前の電子リズム音を再現した感じでしょうか?

さてOmnisphereの音色合成は、様々なシンセの合成技術が駆使できます。
今回は、WAVE SHAPESという波形の倍音構成を時間的変化でダイナミックに変化させる機能があり、今回そちらを少しだけかけてみました。
大きな変化でなくちょっとした隠し味程度にしましたが、ベースドラムの皮鳴りが弾力性のあるような感じになったのではないでしょうか?
デモ:Omnisprereエディット音色
BassDrum JP-8RawTriangle (Wave SHAPER)

BassDrum JP-8RawTriangle(Wave SHAPER)





これで、リズム(ベースドラムライン)は完成です。


それでは、次に独特のアンビエント感を演出したサウンドの重ね具合がどのようになされたかを解説します。
●元の波形だけを聴いてみてください。

Endless Reflections





どうでしょうか?まさにアンビエント感あふれるコードサウンド♪
1音色でコードとなっているので平行和音のような使い方しかできませんが、非常にそれっぽいサウンドで、既に完成された原波形といえます。


●それでは、その波形を、音量変化を加えてみます。
写真4:エンベロープで、少し弱めのアタックで、かつLOOP設定。
Endless Reflections ENV Loop

Endless Reflections ENV Loop
Endless Reflections





いかがでしょうか。原波形は長く鳴るにつれ音色変化がダイナミックに変化します。その変化をそのまま鳴らしながら、シンクロしたアタックの具合で、とっても気持ちいい変化するリズミックパッドが生成できました。
(補足:効果としては、キーボードのキーオンとリズムに連動したオートトレモロ的なものと言えます)

以上の2パートのサウンドをミキシングして完成したのが「Cross Beat」という名のパッチです。

●ビートに合わせて打ち込み、さらにホワイトノイズを進行に応じて加工したサウンドを加えてみました!

【Cross Beat】





このパッチが洗練されていると思うのが、元の波形をフィルタリングのような音色加工せずとも、音量とピッチ変化だけでここまでダイナミックで有機的なサウンドとして仕上げる技術がさり気なく使われているところです。
こうやってパッチを解析してみると、あらためてこのシンセのサウンドデザイナーのノウハウは素晴らしいと思います。

シンセの音作りは確かに大変ですが、こうやって作り上げたサウンドが楽曲の中で存在感を際立てる瞬間が、サウンドクリエーションの醍醐味と思います!

ところで、このデモをWAVに落とす度に何度もOmnisphereがDAW(SONAR)ごと落ちました・・orz
OS落ちもあったりで、自身のPCがCorei7とはいえ32bitOSのままであることも理由のひとつかもですが、Omnisphereの唯一といってよい弱点は、とにかく激重であることです。
おそらくOmnisphereの膨大な作業メモリーが32bit環境では足りず、不安定になるということでしょうか??サポートを受けたことがないので、私のPC環境のせいかもしれませんが・。
64bit環境なら、もしかしたら大丈夫かもしれませんが、以下はDAWが落ちる前にこのような音が出てしまうという余談の断末魔のサウンドです(^^;

エラーメッセージ後の雑音:Out of Memory
【とにかく激雑音★☆音量注意を!!】
Omnisphere Out of Memory





それでは次回は、第2弾として別のパートを解説したいと思います。

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Category: 制作ノーツ

Thread: VOCALOID

Janre: 音楽

tb 0 : cm 2   

コメント

目からウロコ!!

いやー、音色作成の解説、じつにすばらしいです!!

Jupiter-8 であっても三角波なんて笛以外に使い道ないと思ってたのに、
それがあんなふうにうごめくシーケンスベースに変身するなんて、おどろきです。
Omnisphere のコード感ある音源波形も、いい感じですねぇ、ほしくなりました Omnisphere。

Nemo #bcW4pZr2 | URL | 2014/10/22 21:22 [edit]

私もこのパッチを分析しなければ、まさか三角波で合成したサウンドとは思っていませんでした。

Omnisphereのサウンドは音作りのノウハウも含めて本当素晴らしいです。

HaruP #- | URL | 2014/11/02 21:07 [edit]

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