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HaruP WorkS

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

ハードシンセメーカーの老舗ローランドが何やら大変なことに 

シンセも楽器ですから、音や全体の仕上がりも含め、所有する場合の趣味・趣向がかなり反映されます。ハードウェアシンセはそれを構成するデジタルデバイスの汎用部品が多くなったことと技術革新で安くなったとはいえ、ソフトウェアシンセに比べ高価な機材が多いので、購入行動に至るまでかなり吟味を繰り返すことになります。
特に音の傾向もそうですが、所有の動機としては企業のもつブランドイメージなども大きくそれらに影響を与えるものであると思われます。

写真1:技術革新の名機V-SynthGTとFantom
V-synth GT

写真2:初期デジタルシンセで今でもファンが多いJD-800
ds_jd800.jpg

そんななかで、今話題になっているローランドのゴシップ的な騒動は、好きなブランドに悪影響を及ぼすのではないかと非常に気になる出来事です。
その騒動については後半で述べるにあたり、まずローランドのようなハードウェアシンセを作ってきたメーカーが直面している課題について簡単に触れてみたいと思います。

現在の電子楽器を取り巻く現状として、デジタル音声技術の進歩とそれを具現化するためのパソコンの高性能化がハードシンセの存在を脅かし、ソフトシンセが百花繚乱で、ライブで積極的に演奏をしない限りは、ハードシンセを持つ意味は薄くなってしまいました。
シンセサウンドで楽曲を構成するエレクトリック系のプロのアーティスト(中田ヤスタカ等)でも、ハードシンセを持っている方が稀となってきており、現在はソフトウェア中心の楽曲制作が主流です。

当然、ハードシンセを作ってきたメーカーは、その影響をモロに受けることとなっています。ローランドといえばプロが使う欧米の高額なシンセに対して、安価(あくまでも欧米のメーカーと比較して)ながら機能・品質が高く、アマチュアでも手が出しやすいモデルが多いというところでした。ゆえに、コンシューマーベースでのシンセの普及に大変貢献してきたメーカーであることは間違いありません。
プロも多数使うモデルも生み出し、その憧れと比較的入手しやすい価格が相まって、一部のマニア向けの市場であったシンセ市場をポピュラー層にまで広げ、量産効果による企業拡大に成功した老舗といえるでしょう。

さて、そのローランドが、現下の電子楽器を取り巻く環境変化で苦戦中(4期連続赤字)です。量産と多売に成功したビジネスモデルで企業規模を維持するのが大変であることは容易に想像がつきます。
その苦境に現経営者が打ち立てた一大経営改革は、MBO(経営陣による買収)を米国のファンド経由で行うことでした。ところが、それにローランド創業者の梯氏が猛反発をして、楽器業界はもとより、ゴシップ的な注目度からか経済界でも注目される騒ぎとなってしましました。

ローランド、MBOをめぐる泥沼化の構図

そして、Yahooニュースでも見出しで取り上げられた記事によると、なんだかきな臭い話になってきているようです。

ローランド、TOB成立でもくすぶる「火種」

この記事のコメント欄でも、ローランドの行く末を心配をしている声が多いようです。

また今回のMBOに関わった投資ファンドは、グループ会社のローランドDG社がプロッター、3D分野で絶好調で、そっちで一儲けする画策かもという意見があるようです。

ローランドMBO続報 大株主の狙いはDG株売却益か


確かに企業規模の大小にかかわらず外資ファンドを利用した経営立て直し策の多くは、ファンドの食い物にされて部門のばら売りで終わるケースが多いようです。今般は例外となればよいのですが、行く末の懸念は残ります。
企業経営のこのような大きな改革は時代の変化のなかで、コアコンピタンス(「競合他社を圧倒的に上まわるレベルの能力」「競合他社に真似できない核となる能力」)を毀損しなければ柔軟に行うことは自然なことでしょうが、同時に企業存続と命運を左右するリスクを伴うものです。

今回の出来事で象徴的なのは、普段は一般的には見向きもされないマニアックなシンセメーカーが、ゴシップ的にマスコミに「お家騒動」として大々的に報道されているため、企業のブランドイメージへの影響は結構大きいのではと感じております。冒頭に書きましたように趣味性の高い楽器は購入動機にブランド価値が影響しますので、グラミー賞まで受賞した創業者との確執によって引き起こされた騒動でのマイナスイメージは多岐に渡るのではないでしょうか。

MBOによる経営改革が吉と出るか凶と出るかは、まだ誰にも分りません。
企業は生き物ですから、時々の環境のなかでどう成長しまたは淘汰されるかは、時代という大きな潮流に翻弄されながらも、目的地に辿り着くため漂流しないよう巧みなる操舵で乗り切るしかないでしょう。
ローランドは過去に名機が多く、縁あってそれらを所有してしまった自分としては、今回のお家騒動を吹き飛ばすような、シンセファンが憧れを抱ける楽器が出てくることを期待します。
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Category: 電子楽器業界考

Thread: DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材

Janre: 音楽

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