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HaruP Works

シンセサイザーやボーカロイドで制作したオリジナル音楽をこっそり紹介

 

ローランドが「Cakewalk」を譲渡の衝撃 

私の音楽制作用に使用しているホストシーケンサーソフトは、SONARです。このソフトは、ローランドから発売されていますが、開発元は子会社であるCakewlk社で、Windows版音楽制作ソフトでは老舗会社です。
今回SONARユーザーである自分にとって、ローランドがCakewlk社を他社に譲渡するというニュースに衝撃を受けてしまい、SONARの次期バージョンに毎年秋ごろからwktkするという恒例の思いが一気にかき消されてしまいました。

譲渡先はGibsonです。
言わずと知れたギターメーカーの大手です。

譲渡完了後の展開はニュースソースによると、
「本年5月に子会社化したティアックの「TASCAM」を冠した新ブランド「TASCAM Professional Software」でCakewalk製品を展開予定。ティアックも「Cakewalkのギブソン・グループ入りにより、その技術を応用した、より革新的な音楽制作オーディオ機器を提供可能」としています。

■譲渡先に対する不安■

Gibsonも、そしてその子会社となってしまったティアックも楽器や音楽機材の世界ではどちらも言うまでもなく有名ではありますが、実は音楽ソフトウェアの扱いについては、悪い前例が双方ともあり、それが多くのSONARユーザーを不安にさせている理由にもなっています。

Macは早くからプロの音楽制作で愛用されてきており、Mac対応の音楽制作ソフトとして有名な「Vision」(Opcode社)というソフトがありました。Macが得意としたグラフィック性能を活かしたシーケンス画面でMIDIデータのエディット性に優れており熱心なユーザーに長きにわたり使われ続けてきました。
ちなみにMIDIデータをソフト間でやり取りするにあたり標準フォーマットとなったSMFフォーマット(スタンダードミディファイル)も、Opcode社が作った規格です。

写真は、Vision

opcode vision

ところが、その「Vision」はGibsonに買収されその後、経営問題に直面し、ソフトとしては姿を消してしまいました。

そして、ティアックはプロ用機材として名を馳せていましたが、ソフトウェアサンプラーとして、プロやハイエンドユーザーに大変な支持を受けていた名ソフト「GIGA Sampler」の開発元であるNemeSys Music Technologyを買収後しばらく販売をしていましたが、開発がその後ストップしてしまいました。

2000年初頭の当時、ハードウェアサンプラーでは大容量のサンプルを扱うことがまだ困難な時代に、GigaSamplerはディスクストリーミング機能により、ギガバイトクラスのサンプリングデータをも扱えるようにした革新的な製品であったのです。現在の大容量ソフトウェアサンプラーのまさに草分けとなったソフトですが、結局データのフォーマットだけが残り、製品の歴史は消えてしまったわけです。
以上のように、有名なソフトがGibsonとティアックの下で消えてしまった事例を知っている身としては、今回の譲渡に不安を感じざるを得ません。

僅かな希望としては、ローランドではライバル関係などのしがらみで扱えなかったような様々なメーカーのプラグイン化の充実等があるのかもしれませんが、それもシーケンサー本体があってのこと。
Visionのように最後は開発が凍結されてしまっては長年使い続けてきたユーザーにとっては痛手が大きいです。

■制作系ソフトは「継続は力なり」の世界■

ジャンルを問わず、ある程度細かな作業や作り込みが出来る制作系ソフトウェアを扱ったことがある方なら分かるかと思いますが、一度使い慣れたソフトはノウハウも含めてやりたいことの操作体系が自分のスキルとして身についており、他のソフトへの乗り換えが簡単にはいかなくなります。
例えるなら、スキーに慣れている人が、同じ雪を滑るという楽しみ方でも、スノーボードに乗り換えることで、また初心者から(まぁ滑るのに慣れているから全くの初心者とは違うのですが)スタートするようなものです。

だからこそ、制作系ソフトウェアは「継続は力なり」が非常に高い価値をもっており、ユーザーの声無視の改悪的なアップグレードでも無い限り、操作体系を含めた資産を継続しつつ漸進的に発展継続していくことこそ必須の存在価値なのです。
まさに定番ソフトと言われるのは長い間使われ、ユーザーの層が厚くなり強みもそこにあるわけです。

■SONARの将来は・・?■

数々の音楽ソフトがあるなか、サポートの手厚さでは評判が高く、かつ比較的小規模な業態が多いソフトウェアベンダーより資本力もあるローランドに買収されたことで、Cakewalk社、引いてはSONARの将来は盤石であると、今まで思っていました。

しかし、ローランドが買収後、お世辞にもCakewalk社の強みと自社製品との連携が十分な形で実現してきたとはいえず、Cakewalk社の財務状況もここ数年は赤字続きのなか、ローランドも最近の売上不調で余裕が無くなり、結局はお荷物としての経営判断に至ったのでしょう。

企業の勝手都合とはいえ、不利益をこうむるのは利用してきたユーザーなので、何とか良い形でSONARが存続して欲しいものである半面、時代の趨勢を踏まえ、どこかでは他ソフトに乗り換えるという自らの決断の時期が迫っているかもと思うところです。

SONARどうなってしまうんでしょうねぇ・・

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Category: 電子楽器業界考

Thread: DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材

Janre: 音楽

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